例がたくさん出ている。
要点だけ飛ばしながら読んだので、もう一回読もうと思えるような納得できる内容だった。
ただ、才能による部分も多いようなので、少し切ない気持ちになった。
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★マネジャーとリーダーどう違うのか★
・マネジャー
マネジャーの仕事:部下の才能を業績に結び付ける一番の方法を見つけ出すこと。出発点は部下一人一人の才能。
マネジャーは部下に全力を尽くしたいと思わせるために雇われている。
部下は支えられ、課題を与えられ、理解され、才能が許す限り大きな成功へ導かれると感じて、初めて全力を尽くしたいと思う。
すぐれたマネジャーは部下の成長を手助けせずにはいられない。
すぐれたマネジャーは部下に直ちに興味を抱き、部下が大きな成功を収められる環境をどう整えるかという課題に好奇心をそそられるようにできている。
→この才能は、一般に教育本能(コーチング・インスティンクト)と呼ばれる。
・リーダー
すぐれたリーダーは、よりよい未来に向けて人々を一致団結させる。
リーダーを定義するものは、未来への関心。
リーダーは未来に惹かれる。リーダーは変化を待ちかね、進歩を待ちわび、現状に強い不満を抱いていてこそ初めてリーダーである。
リーダーシップを支える才能は、楽観主義と自我。
楽観主義:物事が今より良くなるということを、本能的に、心の底から信じている。
自我:よりよい未来を実現させるのは自分しかいないと、己の全存在をかけて信じること。
芽の出かかったリーダーを育てるとすれば、自我を押さえて謙虚になることや、夢を小さくすること、自らの信念を軽視することを教えてはならない。そんなアドバイスは相手を否定し、混乱させるだけ。
そうではなく、彼らがもっと好奇心を掻き立てられ、それによってよりよい未来のイメージをさらに鮮明に描き出せるような課題を与えること。そして、願望や主張を、そのイメージを実現させるために使うよう勧める。
リーダーは作られるものではなく、生まれつきのもの
<まとめ>
どちらも組織の成功に欠かせない重要な役割だが、両者が専念するものは全く異なる。
マネジャーの出発点は部下一人一人。マネジャーは部下の才能、スキル、知識、経験、目標といった要素を観察し、それを用いて彼らがそれぞれ成功できる将来計画を立てる。マネジャーは、部下一人一人の成功に専念する。
リーダーの出発点は自分が描く未来のイメージ。よりよい未来こそ、リーダーが語り、考え、反芻し、計画し、練り上げるもの。このイメージが頭の中ではっきりした形をとって初めて、リーダーは周りの人々を説得すること(私が思い描く未来であなたも成功できる)に関心を向ける。そういった活動のすべてを通じて、リーダーが専念するのは未来である。
両者の役割をこなそうとするなら、ギアの切り替え時を心得ておくべき。
マネジャー→人から始める
リーダー→自分の向かう未来から始める
★すぐれたマネジャーはチェスをする★
マネジャーとして失敗しない4つのスキル
1)きちんと人を選ぶこと
希望的観測は捨てて、望ましい才能を既に持っている人物を選ぶのに時間をかけたほうが良い。
①どんな才能を求めているのかをはっきりさせる(競争好きな人材、人に尽くす人材、集中力のある人材、起業家、創造性のある人材、分析のできる人材など)
②自由回答の質問をする(マネジメントの一番楽しいところはどこか、など)
③細かいところまで聞く(何度も行ってきた過去の行動)
2)期待する仕事の内容をはっきり示す
すぐれたマネジャーは少なくとも年に4,5回は部下と話し合い、進捗状況を確認し、アドバイスを与え、軌道修正を行う。採用の時点からそれを始める。(何をして給料をもらうつもりか)
3)褒めることと認めること
部下から最高のものを引き出すには、彼らの行動から生じる結果を注意深くコントロールしなければならない。その行動が必ず、確実・即時的・肯定的な結果につながるようにする=良い仕事を即座に認めて、褒めるマネジャーになる。
その場で褒めることを、不変で、予測可能で、確固たるマネジメント・スタイルにするべし!
4)部下に気遣いを示すこと
部下の生産性が上がるのは、自分を気にかけてくれる人が職場にいると感じたとき。まず、マネジャーを中心とした関係を築き上げること。意図的に、はっきりと。気遣いを部下に言葉で伝える。
成功を願っているといい、自身を持たせ続ける。
気遣いのできるすぐれたマネジャーは甘いのではなく、不十分な成果にはすぐに対処する。
すぐれたマネジャーがしているたった一つのことは、
部下一人一人の特色を発見し、それを有効に活用すること。
凡庸なマネジャーは、マネジメントを型にはめる仕事、与えられた役割を完璧にこなす用部下一人一人を作り替える仕事と信じている。
真のマネジメントは、解放すること。
部下一人ひとりのユニークな貢献、要求、スタイルに完全な自由を与えるよう、常に職場環境を整える仕事。
個別化によってもたらされる利益
・部下一人ひとりの特色を活かすことで、自分の時間を節約できる。
・部下一人ひとりの特色を活かすことで、部下のほうも責任感を持つようになる。
・部下一人ひとりの特色を活かすことで、職場の一体感が強くなる。
・部下一人ひとりの特色を活かすことで、周りの世界に健全なレベルの破壊をもたらすことができる。
例)裁量の幅についての思い込みを壊す、昇進させるなど職位を壊す
個別化の目的は、部下一人ひとりが内なる人格をはぐくむのを助けることではない。部下が持てる最大限の力で組織に貢献するのを助けること。
マネジャーに必要な第2の才能は個々の違いを感じ取る能力
自分の能力について非現実的な自信を持っている人のほうが、現実的な自己評価をする人よりすぐれた業績をあげられる。
マネジャーの仕事は部下の自信を築くことであって、自己認識を促すことではない。
部下の精神状態を「目の前の課題の難しさについては100%現実的に評価し、それを乗り越える自分の能力については、非現実的なまでに楽観している」という方向にもっていく。
👇ある人材を有効に活用するために、その人について知っておくべき3つのてがかり
1)強み
2)引き金
あらゆる種類の引き金の中で、ずば抜けて効力を発揮するのが「認知」
成果をきちんと認めれば部下からいい反応が返ってくる(どんなマネジャーも知っている)
すぐれたマネジャーは適応範囲を広げる=部下の欲する観客が少しずつ違うことに気が付いている。部下が最も重視する観客を見抜く。
3)学習スタイル
学習者の数だけ学習スタイルがある。ただ、主なスタイルは3つ。組み合わせて用いる社員もいるだろう。
①分析→学習時間をたっぷり与える。
②行動→新しい状況に放り込んで、ぶっつけ本番の対応を命じる。
③観察→教室から追い出して、マニュアルを取り上げ、経験豊富な社員の横に座らせる。
3つの手がかりをつかむのに便利な方法、質問しよう。(新しく雇った部下全員にこの質問をすることをお勧めする)
<強みについて>
ここ3ヶ月で、仕事が一番楽しかったのはいつか?
・その時何をしていたか?
・なぜそれがそんなに楽しかったか?
<弱みについて>
ここ3ヶ月で、仕事が一番つらかったのはいつか?
・その時何をしていたか?
・なぜそれがそんなにつらかったのか?
<引き金について>
今までで一番うまくいったマネジャーとの関係は?
・なぜうまくいったのか?
今までに褒められたりしたなかで一番心に残っているのは?
・なぜそれほど心に残ったのか?
<独自の学習スタイルについて>
これまでの仕事で、一番何かを学んでいると思ったのはいつか?
・なぜ多くを学んだのか?
・あなたにとって一番の学習スタイルは?
★すぐれたリーダーは未来を描く★
個性の違いを超えて、人々みんなに共通する感情や要求をとらえること=広範囲の共感
すぐれたリーダーが行動の指針としてみな知っているたった一つのこと
普遍的なことを発見して、それを活用する。
人は一人ひとり違うという真実を否定しないが、焦点は敢えて別の「違いはあるけれど、人は多くのものを共有する」という真実に合わせる。
リーダーの5つの普遍特性
1)(自分自身や家族の)死に対する不安―安全への欲求
最も根本的イな欲求のいくつかは、自分や自分の愛する者の命を守りたいという衝動から生まれる。
2)部外者に対する不安―共同体への欲求
人は群れで生活する動物であり、群れを強固にするために組織化する。
3)未来に対する不安―明確さへの欲求
未来とは不確実でよくわからないもの、ゆえに危険性を秘めたものと思っている。そのため、未来を予測できる人間には名声が与えられる。
4)混沌に対する不安―権威への欲求
どんな人間の社会でも世界は混沌から作り出されたことになっている。自分たちは混沌から遠ざかっていると納得している。人間の普遍特性の一つに物事を分類したいという欲求がある。秩序を希求することから権威への欲求が生まれる。誰かに何かを担当してもらったほうが自由参加の混乱状態より組織化しているように思えるから。根底に混沌を嫌い、強いリーダーを好む傾向がある。
5)無価値であることへの不安―敬意への欲求
個人は属する集団とは別の価値を持つ。セルフイメージを表す言葉は全ての社会にある。我々は皆、他人にどう思われるかに多大な関心をはらう。名声とそれに伴う敬意への欲求は全ての社会で見られる。
宗教はその一つ。選ばれし民、死後の生、輪廻転生。
1と2を満たせば人望は集まるがリーダーの仕事は人々の心をつかむことではない。現状維持程度。
3の未来に対する不安に真剣に取り組み、なんとかそれを消し去ったり、さらに何かポジティブなものに変えたりできればリーダーとして本当に意味のあることを成し遂げたといえる。
不安を自信に変える一番の手段は、明確さ。
リーダーが未来を鮮やかに(行動、言葉、映像、写真、ヒーロー、数字などを通して)それを追う私たちがどこに向かっているかをわかるように定義すること。
人はなぜ明確さを求めるのか。
4つの領域
誰のために働くかについて従業員が明確さを必要としているので、正確かつ鮮やかに示すことが重要。
使える尺度をすべて整理して一つを選ぶ。その際の条件はターゲットとする顧客層に合ったもの、あるいはあなたが指摘した従業員にあったもの、あるいはあなたが指摘した従業員の強みを数量で示すもの、そして、従業員が働きかけて影響を及ぼせるもの。
行動を単に変化を起こすものではなく、意図を明確に示すものとして使うつもりなら、周りの人が反応を示すのは二つの行動。①システマティックな行動(決まり切った日課に割り込み、私たちを新しい活動に巻き込む)②シンボリックな行動(私たちの活動を変化させるものではなく、注目を集める)
有能なリーダーが、この二つを使い分けることに長けている。
リーダーシップの規律
規律1 考える時間を作る
規律2 慎重にヒーローを選ぶ 賞賛できる業績をだした従業員を選ぶ、ということ。
リーダーであるあなたが賞賛する従業員は、あなたが作り出そうとする未来を示す具体例。
規律3 練習する 未来を語る練習を自分に課す。効き目のない表現をすて、共感を呼ぶ表現、私たちが求める明確さを提供する表現を繰り返し使う。
★何をするかではなく、何をしないか★
職場でもっとも得意なことをする機会がある人は20%
その20%に入るためには、
自分がしたくないことを見つけ出し、それをやめる
継続的な成功の定義とは?
継続的な成功とは可能な限り大きなインパクトを最も長い期間与えること
そのために必要なのは
- ある役割に秀でるのに必要な生来の才能と熱意があり、その役割特有のスキルと知識を十分身に着けていること。
- 何かに秀でるだけでなく、その状態を保ちつつ、機会をとらえてさらに秀でること。
★3つの主張★
主張1 正しい戦術をみつけ、それを用いる
主張2 欠点を見つけ、修正する
主張3 強みを見つけ、磨きをかける
成功を継続するためには、警戒を怠らず、自分がどこでどうやって時間を過ごしているかを評価する。もちろん、新しい役割、新しい技術、新しい責任は自由に試してみるべきだが、好きなことをして過ごす時間が70%を割ったと思ったら、すぐに邪魔になっている活動を見極め、それを排除するための行動を起こす。
これが効率よくできるほどより大きな成功を収めることができる。
★これでは成功は継続しない★
退屈している場合
満足感がない場合
ストレスを感じる場合
消耗している場合
役割をやめる、役割を微調整する、正しいパートナーを探す、役割の中であなたの力を引き出す側面を見つける、これが強みの道から障害物を取り払うのに最も効率的な4つの戦術。